「拓殖」と「柘植」、どちらも見た目がとても似ていて、一瞬で区別がつかない!と感じたことはありませんか?
でも実は、読み方も意味も大きく違うんです。この二つの漢字について、わかりやすくお伝えします。
「拓殖」の意味と特徴
「拓殖」は「たくしょく」と読みます。
「拓」は「開拓」の拓、「殖」は「殖民」の殖。
人が住んでいなかった土地を切り開き、新しく人が住む場所をつくることを表します。
「拓殖」の別表記「拓植」
ちなみに、「拓殖」を「拓植」と表記することもありますが、意味は変わりません。
「殖民」を「植民」とも表記することがあるからでしょう。
拓殖大学・拓殖銀行
「拓殖」は大学や銀行の名前などにもついています。
たとえば、拓殖大学は、もともと台湾の開拓を担う人材を育てる教育機関として設立されました。
その背景から、第二次世界大戦前は「拓殖学」(植民政策学)を中心とした教育を行っていた歴史があります。
また、北海道の開拓を目的に設立された「北海道拓殖銀行」という銀行も過去に存在しました。
名前の通り、開拓や殖民に深く関わりのある言葉なんですね。
「柘植」の意味と特徴
一方、「柘植」は「つげ」と読みます。
こちらは植物の名前です。柘植の木は日本の西日本地域に自生する低木で、木材が非常に硬いことから、印鑑や高級な櫛、さらには将棋の駒にも使われています。
名字にもなっている「柘植」
また、「柘植(つげ)」という苗字も存在します。
この苗字は植物の柘植の木が由来で、特に愛知県や岐阜県で多く見られるそうです。
全国にはおよそ13,000人の「柘植」さんがいると言われています。
また、「柘植」という苗字には「つげ」だけでなく、「つげうえ」や「つげしょく」といった読み方をする方もいるんですよ。
ちなみに、「拓殖」さんという苗字は日本には存在しないようです。
「拓殖」と「柘植」の漢字の違いは?
見た目が似ているこの二つですが、漢字をよく見ると違いがわかります。
- 柘植は木へんがついた漢字です。「柘」も「植」も木に関係しています。
- 拓殖は手へんの「拓」と、かばねへんの「殖」で、木とは無関係な文字です。
同じように見えて、実は全然違う2つなんですね。
まとめ
「拓殖」と「柘植」、字面が似ているために混乱しがちですが、読み方や意味だけでなく、それぞれが持つ背景や用途も大きく異なります。
次にこの二つの字を見かけたときは、「これは拓殖かな?それとも柘植かな?」と区別できるようになるはずです。ぜひ日常の中で活用してみてください!