サッカー日本代表の三笘薫(みとまかおる)選手の「トマ」の字が「笘」であることに気づいた方も多いと思います。
しかし、北海道の地名「苫小牧(とまこまい)」の「トマ」の字は「苫」。
一見似たような漢字ですが、実際どちらがメジャーなのでしょうか?
この記事では「笘」と「苫」を使った人名や地名を調べ、その違いを探ってみました。
苫・笘を含む苗字はどっちが多い?
まずは、「苫」と「笘」を含む苗字の数を見てみましょう。
「苫」を含む名字
「苫」の字を含む苗字には次のようなものがあります。
- 三苫(みとま、みこま、みせん、さんとま) 全国に約3,100人
- 苫米地(とまべち、とまこめじ、など) 約2,400人
- 峯苫(みねとま) 約280人
これらを含め、全国に「苫」を使った28の苗字があり、総計約6,700人の方が「苫」の漢字がはいった名字です。
ちなみに三苫さんはとくに福岡県に多く、約1,900人います。
「笘」を含む名字
一方、「笘」を含む名字は以下の通り。
- 三笘(みとま、みつじ) 約820人
- 笘谷(とまたに、とまや) 約70人
- 笘(とま) 約60人
「笘」を含む苗字は20種類あり、全国に約1,300人ほどしかいません。
この結果から、「苫」を使った名字の方が「笘」よりはるかに多いことが分かります。
ちなみに三笘さんが多いのは大分県と福岡県で、あわせて約580人ほどいます。
三笘薫選手も、幼少期をすごした出身地は神奈川県川崎市ですが、生まれたところやご両親の故郷は大分県なんです。
苫・笘を使った地名の比較
次に、「苫」と「笘」を使った地名を見てみましょう。
「苫」を使った地名
「苫」は全国に10件以上存在しています。
市町村の名前だと
- 北海道の苫小牧市や苫前郡
- 岡山県の苫田郡
町域名だと、北海道が多く
- 様似町の鵜苫(うとま)
- 稚内市の更喜苫内(さらきとまない)
- 厚岸町の苫多(とまた)
- えりも町の苫別(とまべつ)
- 苫前町の苫前(とままえ)
- 陸別町の苫務(とまむ)
他の場所だと
- 青森県むつ市の苫生町(とまぶちょう)
- 青森県南部町の苫米地(とまべち)
- 青森県東北町の浜家苫(はまけとば)
- 兵庫県姫路市の苫編(とまみ)
- 福岡市の三苫(みとま)
などがあります。
「笘」を使った地名
一方、「笘」を使った地名は0件。日本国内には「笘」を使った地名が見つかりませんでした。
地名に関しても、「苫」の方が圧倒的に多く使われていることが分かります。
三笘薫選手の「笘」は珍しい
以上の結果から、人名や地名では「苫」の方が「笘」よりも一般的でメジャーな漢字であることが明らかです。
特にサッカー日本代表の三笘薫選手の「笘」の字は珍しいため、しばしば「苫」と間違えられることが多いようです。
「笘」と「苫」の意味の違い
最後に、この二つの漢字の意味の違いについても触れておきます。
「笘」は、「文字を書くためのふだ」や「竹のムチ」といった意味があります。
「苫」は、主に「スゲやカヤなどの植物を粗く編んだむしろ」という意味があります。
音読みはどちらも「セン」ですが、訓読みでは「苫」は「とま」、一方「笘」は「ふだ」「むち」と読みます。
まとめ
結果として、人名や地名では「苫」の方が「笘」よりもはるかに一般的だということが分かりました。
サッカー日本代表の三笘薫選手の名前がしばしば「苫」と間違われるのも、この差が影響しているのかもしれません。