共通テスト(旧:センター試験)では、「プラスチック製の消しゴム」が使用可能な筆記用具として指定されています。
ところが、いざ自分が持っている消しゴムが本当に使えるものかどうか、ちょっと不安に感じることもあるかもしれません。
そこで、今回はプラスチック消しゴムの見分け方について詳しく説明していきます。
プラスチック消しゴムとは?
基本的に、現在市販されている消しゴムのほとんどがプラスチック消しゴムです。
- トンボ モノ(MONO)消しゴム
- ぺんてる アイン Ain
- コクヨ リサーレ(RESARE)
などの商品があります。
ですが、どうやってプラスチック消しゴムを見分ければ良いのでしょうか?
パッケージで確認できる「プラスチック消しゴム」の記載
プラスチック消しゴムかどうかは、まずパッケージに注目してみてください。
日本産業規格(JIS)では、プラスチック消しゴムには「プラスチック字消し」や「Plastic eraser」などの表示が必須とされています。
つまり、消しゴムの紙カバーやパッケージに「PLASTIC ERASER」や「プラスチック」という文字が書かれていれば、それはプラスチック消しゴムです。
また、コクヨや無印良品の消しゴムは商品名として「プラスチック消しゴム」と明記されており、すぐにプラスチック消しゴムと判断できます。
「消しゴム」ではなく「字消し」
字を消す文房具は一般的には「消しゴム」とよばれていますが、プラスチック消しゴムをはじめ、ゴムをふくまないものがあります。
そのため文具メーカーや業界団体では「消しゴム」全般を「字消し」と呼んでいます。
プラスチック消しゴムの主成分は「塩ビ」
プラスチック消しゴムの主成分は「塩化ビニール樹脂(PVC)」、いわゆる「塩ビ」です。
この塩ビがいわゆるプラスチック成分です。
さらに「可塑剤(かそざい)」という成分を加えることで、消しゴムの柔らかさを生み出しています。
可塑剤には主に「フタル酸系可塑剤」が使われ、プラスチックを柔らかくしているのです。
また、商品を熱や紫外線から守るための安定剤も加えられ、長持ちするように作られています。
消しゴムがプラスチックとくっついてしまう理由
ただ、プラスチック消しゴムに含まれる可塑剤は、プラスチックにふれると融合してしまう性質があります。
そのため、プラスチック消しゴムや消しカスがずっとプラスチックにふれているとくっついてしまうことがあります。
私も、プラスチックのペンケースに消しゴムを入れて半年ほど放置していたら、カバーのないゴム部分がペンケースと癒着してしまったことがあります。
ペンケース側のプラスチックが溶かされてしまっているので、完全にキレイに戻ることはありません…
消しゴムはプラスチックに直接ふれないように保管しましょう。
プラスチック消しゴム以外の塩化ビニール樹脂(PVC・塩ビ)
塩化ビニール樹脂(PVC・塩ビ)はプラスチック消しゴム以外にもいろいろな製品に使われています。
水道管のパイプのような硬いプラスチックから、ラップフィルムや合成皮革、浮き輪のビニールのような柔らかいものまであります。
プラスチック消しゴムの誕生は日本から!
実は、プラスチック消しゴムは日本で誕生したことをご存じですか?
昭和31年(1956年)、日本の「シードゴム工業」(現在の株式会社シード)が世界で初めてプラスチック消しゴムを開発しました。
※諸説あります
「塩ビ」を含まないプラスチック字消し
プラスチック字消しのなかでも、最近は塩化ビニール樹脂(PVC・塩ビ)を含まない合成ゴム(SBR)の字消しも増えてきています。
塩ビは焼却、埋立てするさいに環境に悪いといわれることもあります。
諸説あるようですが、非塩ビをうたった商品がいろいろと販売されています。
無印良品の「プラスチックけしごむ」も、非塩ビ素材を使用しています。
まとめ
共通テストで使える消しゴムが本当にプラスチック消しゴムなのか、迷うこともありますが、見分け方は簡単です。
パッケージに「PLASTIC ERASER」や「プラスチック」と明記されているか確認すれば安心ですね。
早めに準備しておきましょう。